「影武者」1980

黒澤明「影武者」1980

信玄の格好をした弟。
「我もし死すとも三年は喪を秘し、領国の備えを堅め、ゆめゆめ動くな。これに叛き、妄りに兵を動かす時は、わが武田家の亡ぶ時ぞ。一同、よく聞け、この事、わが遺言と心得よ」

家康が様子見に軍勢を差し向けてくる。「出方を見れば、そのうしろに信玄のある無しがわかる」

北野武なども役者として他の監督の映画やドラマに出るときは、絶対に監督に意見しない(自分がやられたら嫌だから)。
勝新の後輩の俳優は、勝がいかに自分なりに考えていたかを滔々と話して擁護する。

血のりが薄い朱赤

合戦に合戦シーンなし
大事な狙撃シーンも「銃声」だけ。狙撃シーンそのものを見せず、なぜかその検証シーンをたっぷりと見せる。
重要な場面の多くが、間接的に描かれ、または省略されることによって、観客は事実が直接確認できない位置に立たされる

「国を盗むために、数えきれねぇ人殺しをした大泥棒!」

主の影をなぞりながら成長し、傷ついていく。

影武者の影がどんどん濃くなっていく。影のうすい人間として登場する盗人に、信玄魂が乗り移ってくると徐々に黒い影。中盤、信玄の足下から頭上にのび、城の天井を歩き始める。

重要な場面を悉く隠蔽
重要な瞬間に主人公はカメラに背を向ける
真と偽、実在と影、アイデンティティの確立と否定

影武者のアイデンティティを形成した武田家自体の崩壊

カメラの冷淡さ
遠い位置にカメラを固定したまま6分以上
信玄の偉大さ、信廉の怒気

笛の音が聞こえれば「人心に揺ぎなく」落城はまだだろう。笛の音が聞こえなければ「常心なく」すぐに落城するだろう

家康は信玄狙撃の真偽を実験によって判断
信長「我ら二人とも信玄が死んでくれれば、大いに助かる。だから死んで欲しい。いや、死んだと思いたい。それだけのことかも知れぬ」と自分の心理を相対化

敵側が英雄で主人公側が悪役のような逆転した描写
左から右に攻めるのは信長側

「本丸の水の手を掘り当てました」

能役者
影武者
侍たち
敵方の間者たち
すべてが虚偽

「影法師」「貴様」「この男」「その方」

姫路城と熊本城
現存12天守の一つである国宝・彦根城

『乱』製作費の節約策として企画された

元々仲代と勝は友人関係
当時マスコミによって報道がされたことから、世間でも大きく注目され、ヒットをもたらす要因となった。