46.片棒
石町に大店を構える赤螺屋(あかにしや)の主人・吝兵衛(けちべえ)は、若いころから爪に火をともすような倹約で財をなした“大ケチ”として有名である。そろそろ商売の跡目を三人の息子のうち誰かに譲らねばならないが、道楽者に身代を […]
45.長屋の花見
貧乏長屋の面々が、ある朝そろって大家に呼び出される。皆、てっきり店賃(家賃)の催促だろうと青くなっている。十八年払っていない者、親の代から結局一度も払っていない者までいる始末だ。震えるような気持ちで大家の家へ行くと、思い […]
44.鰻の幇間
真夏の昼下がり。野幇間(のだいこ)・一八(いっぱち)は、客探しに四苦八苦していた。金のありそうな旦那衆は避暑や湯治に出かけ、町は閑散。そこへ浴衣掛けで歩く男を見つける。どこかで会ったような気がして「へい旦那、ご機嫌よう! […]
43.青菜
夏の盛り、植木屋が裕福な隠居宅で庭仕事をしていると、隠居が声をかける。「精が出ますな。涼しいところで一杯やりなさい」。井戸で冷やした柳蔭(焼酎とみりんを合わせた夏酒)を勧め、鯉の洗いも出す。植木屋は恐縮しながらも上機嫌。 […]
42.死神
何をしても裏目、女房にも見放され、ついに死のうとした男の前に、肋が浮くほど痩せた老人が現れる。「わしは死神。お前はまだ寿命ではない」。死神は奇妙な理を授ける――病人の傍らには必ず死神が座る。足元にいれば未だ寿命に非ず、呪 […]
41.らくだ
長屋一の乱暴者・馬(あだ名は“らくだ”)の家を兄貴分の半次が訪ねると、らくだは前夜の河豚に当たって死んでいた。葬式を出したいが金がない。そこへ通りかかった屑屋の久さんを半次が脅して使い走りにする。まず月番に香典を集めさせ […]
40.抜け雀
江戸時代、小田原宿の小さな旅籠に、みすぼらしい身なりの男がふらりと現れた。気弱な宿の主人が声をかけると、男は「泊まってやる、前金に百両預けよう」と言うが、実際は一文無し。十日も飲んだくれて寝るばかりの様子に、女房が痺れを […]
39.悋気の火の玉
浅草・花川戸の鼻緒問屋、立花屋の旦那は、「焼きざましの餅」のように固い男。若い頃から浮気ひとつせず、女房一筋であった。ところがある日、仲間の寄り合いの帰りに吉原へ誘われ、つい魔がさす。初めて遊んだその夜が忘れられず、翌晩 […]
38.お見立て
江戸の吉原にある花魁・喜瀬川のもとへ、田舎の大金持ちで純朴な男・杢兵衛(もくべえ)が通っていた。しかし喜瀬川は、この田舎者の客を心底嫌っており、次に来たら「病気で逢えない」と追い返すよう、店の男衆・喜助に命じる。 やがて […]
37.子は鎹(かすがい)
大工の熊五郎は腕は確かだが酒と女にだらしなく、遊女に入れあげては妻と喧嘩ばかり。ついに、息子の亀吉を連れておみつは家を出る。熊五郎は後悔しつつもどうにもできず、孤独の中で年月が過ぎる。遊女とも別れ、熊五郎は心を入れ替えて […]
