18.小言念仏
主人公は「小言幸兵衛」といった風な、毎朝仏壇の前で念仏を唱える男です。ところが彼は、念仏の合間に絶えず家族へ小言を挟み込む。「仏壇に蜘蛛の巣が張っている、掃除しろ、ナムアミダブツ」「花を替えろ、水も替えろ、ナムアミダブツ […]
17.牛ほめ
与太郎は世間から“間抜け”と呼ばれる青年。父親は息子の愚かさに手を焼いていますが、親戚の佐兵衛おじさんが新築したと聞き、「今度こそ与太郎を見直してもらえる好機」と考えます。父は与太郎に新築祝いの口上を伝授します。家は総体 […]
家見舞
兄貴分が新しい家を建てた。そこで義理堅い二人組が「祝いの品を贈ろう」と相談するが、金はほとんど無い。必要なものを直接聞きに行くと、水瓶(みずがめ)が無いのに気づき、これに決めた。備前焼の立派な水瓶は18円、安物でも4円5 […]
15.道具屋
与太郎は、いつまでも遊んでばかりで働かないので、伯父に呼び出されます。「何か商売をやってみろ。内緒でやっている“ど”のつく商売を譲ってやろう」と言われ、与太郎は「泥棒か!」と早とちり。実際には「道具屋(古道具を扱う露天商 […]
14.宮戸川
小網町に住む質屋のせがれ・半七は、将棋に夢中で夜遅くなり、家に帰ると父親に締め出されてしまいます。そこへ同じ町内の幼なじみ・お花も、歌留多会から遅くなって帰り、同じように締め出されて困っていました。行くあてもなく、お花は […]
13.紙入れ
江戸の町で小間物屋に勤めている新吉(しんきち)は、いつも世話になっている商家のおかみさんから手紙をもらいます。そこには「今夜は旦那が帰らないから遊びに来て」と書いてあります。新吉は迷います。お世話になっている旦那に悪い気 […]
12.権助魚
ある商家。旦那に“お妾(めかけ)”の家があると疑う本妻は、下男の権助に「旦那の行き先を見届けて報告せよ」と一円を渡して頼む。ところが出かける道中で、旦那はすぐに権助の内通を見抜き、逆に二円・さらにもう一円を握らせ、「今日 […]
11.金明竹
舞台は江戸の骨董屋さん。店主のかわりに小僧(与太郎や松公と呼ばれることもある)が店番をしています。ところがこの小僧、とても素直すぎて、ものごとの意味をそのまま受け取ってしまうのです。あるとき急な雨が降り、通りがかりの人が […]
10.不精床
ある男が通りがかりに、ガラガラに空いた床屋に入ったのが運の尽き。「空いてますか?」 → 「見りゃ分かるだろ」「いい男にしてくれ」 → 「無理だ」と親方は無愛想で素っ気ない。頭を湿らせようにも「うちは水か唾(つば)だ」と桶 […]
9.強情灸
気短で強情な友人・熊さんがやってくる。熊さんは「たかが灸で騒ぐな」と意地を張り、片腕に山盛りのもぐさを載せて火をつける。最初は「小諸出で見りゃ浅間の煙」などと歌い出し、余裕を見せる熊さん。しかし火が下まで回ると猛烈な熱さ […]