戦争の悲しみ

戦争の悲しみ
著者:バオ・ニン

翻訳:井川 一久

出版社:めるくまーる

10

点綴(てんてい)

 

25

悲しみ屋

 

28

家庭のトイレは養魚池

 

35

お前の手紙のおかげで希望を取り戻して、今もこうして生きています。

 

38

死者の最期の息のようなものが立ちのぼってくる

 

42

若い恋人たちの体を支配する情熱に同情

 

43

幸福を味わう者は必ず不幸によって復讐される

 

48

銅飴(銃弾を意味する人民軍兵士の隠語)

 

49

歴史の中に住む人間に、歴史をあるがままに認識することはむずかしい

 

52

生と死のわずかな隙間に、つまり人間にとってもっとも恐ろしい不確定性の中に宙吊りにし、

 

74

約束は、キエンの生涯の最後の花だったかもしれない

 

77

地上にいる者の義務は、何はさておき生きることだ

 

78

君は私たちがこの世に残す唯一の存在だ

 

88

きわめて貴重な何かを失ったような憂鬱

 

114

記憶っていう監獄にいるの

 

121

人格の防護衣を剥ぎ取るような

 

146

米軍供与の武器弾薬

 

149

愛や憐憫が逆のものを導き出すこともあるという人間社会のアイロニー

 

164

無言の抱擁と凝視

 

167

未完の作品を抱えたままの死

 

171

ファントムの機影

 

172

地名にも恐怖と苦痛のイメージ

 

179

勤労者大衆にも充分理解できる即物的な題材と制作スタイル

 

184

死神の手

 

187

時流におとなしく流される性格ではなく

 

188

共通の孤立感と、きょうという日は二度と来ないかもしれぬという思い

 

215

比較的安全な首都圏で甘やかされてきた半人前の連中

 

216

貧困の中の孤独

 

218

兵隊特有の露骨なジョーク

 

223

目に映るもの全部が意味を失い

 

253

自分を世間知らずの純真な娘にみせかける声色

 

301

質問いっさいを拒むかのような怯えた目つき

 

307

小さな地獄は、こうして悲劇的に解体された

 

324

フォンの吸うはずのない煙草の匂い

 

334

夜中まで、疲れ果てながら君を捜しつづけた。

彼女は君を待っていた。我々が去るときも、まだ君を待っていた。

 

340

作者が無用と思って削除しようとした文章がまぎれ込んでいるかもしれない

 

341

その日その日を貧しく過ごしている

 

343

いつでも捨てていいよと言わんばかりにゆだねて去った

 

345

過去へ連れ出し、彼から安らぎの時間を奪い続けた

ペシミズムの袋小路

 

366

チェオ(ヴェトナム歌舞伎)は、しばしば時系列を無視します