優しさに、間が合わず

コロナのとき、師匠から電話があった。
「昇吉、元気か」
私は、コロナ禍でも、テレビせとうちの経済番組『プライド』や、俳句の『プライド』、大学や執筆の仕事などで全く困っていなかった。
むしろ、パーソナルスペースを侵してくる人も減って、メンタル的にも絶好調だった。各種、補助金や給付金もあった。
「あ、そうか」

すこし、さみしそうな師匠。

あとで聞くと、師匠は困っている弟子全員に、給付金10万円を配っていたそうだ。

あぁ、「困っている」と言っておけば良かった。