ありがとう、子どもたち
小学生の前で落語をやるのは、本当に楽しい。
みんな素直に笑ってくれるし、あらためて「落語って素晴らしいなあ」と思う。
高座のあとは、落語の解説をして、みんなで蕎麦をすする体験もしてもらう。
自分で高座に上がって落語をやる子どももいて、それぞれが考えた芸名がまた可愛い。
たとえば――
「スパゲッ亭まんぷく」
「うさぎ亭ぴょん子」
「おにぎり亭ツナ子」
「しゃっくり亭とまらん」
「アイス亭ぺろり」
やっぱり食べ物が多い。
中には「すしたべたい」なんて芸名も。
そして、よくあるのが、花束贈呈と感謝の言葉。
子どもが好きな私は、毎回、涙が出そうになる。
「昇吉さん、今日は落語をやりにきてくれてありがとうございます。もうすこしで笑いそうになりました。かなり筋がいいと思います。これなら、いつかプロになれるとおもいます。」
ありがとう。
学校寄席の仕事だけは、基本的に断らないことにしている。
子どもたちの素直な笑いと、心のこもった言葉は、何よりのご褒美だと思っているから。