『​原っぱと遊園地』

青木 淳著 『​原っぱと遊園地』

建築にとってその場の質とは何か

 

今日何が起きるかわからない。

あらかじめそこで行われることがわかっている建築(遊園地)から、そこで行われることでその中身がつくられていく建築(原っぱ)へ。

潟博物館、ルイ・ヴィトン表参道、青森県立美術館、並びにH、Sなど一連の住宅で、今最も注目されている青木淳の初めての建築論集。

著者略歴
1956年神奈川県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。同大学院修士課程修了。磯崎新アトリエ勤務を経て、1991年青木淳建築計画事務所設立。(現在はASに改組)

主な作品「馬見原橋」「潟博物館」「ルイ・ヴィトン表参道」「LOUIS VUITTON GINZA NAMIKI」

「青森県立美術館」「杉並区大宮前体育館」「三次市民ホールきりり」「京都市京セラ美術館」(改修設計)

 

8

横浜美術館は、空間が作品に対して勝ちすぎている

 

11

今日何が起きるかわからない原

12

ジェットコースターには、ジェットコースターとしての遊び方以外が許されていない

 

13

かかわり方があらかじめ規定されたものではなくて

 

21

役所にとってのコンテクストか、一般のひとたちにとってのコンテクストか、あるいは作家にとってのコンテクストか、

はたまた、キュレーターにとってのコンテクストか

 

25

他の町と代替可能なのっぺりとした商業地域

 

35

機能というものが空間を決定する最大の要因だと考えない

空間の質が機能に先行する

 

38

パリの町のところどころに置かれているメリーゴーランドや観覧車

強制的なイリュージョンを与える感覚創出装置とはまるで違う、

それに乗った視点からの町の相もありえることを実感させるような装置

 

47

ひとつの物が、見る位置によって異なって解釈されるようにつくった

 

51

ルイヴィトン・ニューヨーク

 

 

54

量塊性

 

57

別々のことをしている人たちが時間と空間を共有する

 

58

動線体

「つないでいるもの」の優位性

 

73

潟博物館

景色を眺めながら次第に登る螺旋のスロープ

 

82

シャーレの中の、黴のコロニー

 

85

主催者側はあきらかに文化の「殿堂」を望んでいる

 

86

額縁が見えなくなったことは、額縁機能がなくなったことを意味しない

 

93

空間から目的を剥ぎ取る

狭義の建築計画学、見えない牢獄

 

98

「交通」が一瞬束ねられた「未目的」の空間

 

106

空間が先回りしてはいけない

 

107

内容を想定しないで進めなくてはいけない

 

108

ノートンサイモン美術館

https://mikissh.com/diary/norton-simon-museum-pasadena/

 

112

「意味」を漂白する

 

128

薄膜的

 

132

非仮設性

 

138

ただ無目的に過ごした時間は「分割」できないから、描写しにくい

 

164

恣意的

決定がルールにのっとっていないということ

 

170

その場の質

 

207

受け手側の「お望み」に合わせて整形手術することに終始した丹下健三

https://www.modernliving.jp/architecture-design/architecture/g46151318/tange-2312/

 

216

正統性を主張するための大義名分

 

226

増築を重ねた町工場