ふとアイスクリームといふことばいで 　京極杞陽 　　
わいわいとアイスクリーム妥協せず 中原幸子
アイスクリーム溶けゆく叔母の咽なり　加古みちよ
アイスクリーム食べてる母は歩けない　森理和
稿債はアイスクリーム食べてより 稲畑汀子
アイスクリン愉しき嘘を吐く舌に 松下道臣
アイスクリーム相槌ばかり打つてをり 石田きよし
愚痴言ひにアイスクリーム提げて来し 矢口笑子
施餓鬼会や『アイスクリン』をふるまはれ 秋川泉
やゝ融けてアイスクリーム冷たけれ 日野草城
アイスクリーム舐め老人とゐたりけり 星野麥丘人
車窓仮睡アイスクリーム売よぎる 高浜年尾
アイスクリームなめてかなしき話きく 岩崎富久子
アイスクリーム匙にねばりぬ葬のあと 上野さち子
アイスクリーム娘見舞ふは恋に似て 杉山倭文