『怖い絵』

『怖い絵』

中野京子

朝日出版社

 

15

オペラ座というのは、社交場としての性格

 

17

踊り子志願の少女たちの、ほとんど全てが労働者階級の出身

 

25

領主といえば神も同じ。

受胎告知はそれに似ている。

 

40

病める魂が鎮まるとともに、ムンクの天才も消えてしまった

 

58

16世紀に流行した寓意画

 

62

イコノロジー(画像解釈学)

 

77

密告は義務で、義務を果たさない者は間接的異端

 

87

窃視

 

94

樹木がその切り裂かれた背中に呼応するかのように、ギザギザの空間を見せている

 

106

画家は、窓から墜落する人間を五方向から記憶にとどめて描写できるようでなくてはならない

 

125

女性としては不名誉な裁判沙汰も、画家としての彼女を傷つけることはなかった。

 

131

日本の武士の裃における袖なしの肩衣が、肩幅の広さを数倍に見せたのと同じ

 

149

前者の中には、作品で全く描ききれていない部分についてさえ自慢する者がいるし、後者の中には、創作の秘密を故意にミスリードしようとするものがいる

 

155

男児死亡率が女児より高かった

 

168

処刑見物は大エンターテインメントだった

 

170

ハプスブルク家代々の受け口

 

194

古代彫刻が発掘されたことがルネサンスの契機

 

196

おぞましい老婆が着飾るのは滑稽で、見る者の優越感を煽った

 

214

羊飼いは宗教上の指導者のシンボル

 

221

少年愛は一方的な搾取

 

238

淡黄色は裏切り者のユダの色

 

242

若者は夢を抱いて社会へ出てゆくが、待ち構えているのは一見上品そうな禿鷹の群れ